今回は、SFC修行僧必携のカードとも言える「ANA ワイドゴールドカード」についての投稿です。
SFC修行をはじめるにあたり、ANA一般カードからANAワイドゴールドカードに切り替える方も多いと思いますが、切り替えることによって何が変わるのか、紹介したいと思います。
「ワイドゴールドカードに切り替えるとどんなメリットがあるの?」
「年会費が高いんじゃないの?」
「切り替えてはみたけど、どんな特典があるのか今ひとつよく分からない」
という方は、ぜひお読みください。
今回は、ANAワイドゴールドカードの中でも、年会費割引特典の大きいANA VISAワイドゴールドカードに的を絞って解説します。
なお、ANA VISAワイドゴールドカードを最大限に生かし、還元率1.72%を達成する方法についてはこちらで詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
目次
一般カード⇒VISAワイドゴールドカード切り替えによる変更点
一般カード(VISA/JCB)とANA VISAワイドゴールドカードでスペックが異なる項目をピックアップして対照表を作りました。
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
年会費
(税抜) |
通常 | ¥2,000 | ¥2,000 | ¥14,000 |
最大割引後 | ¥1,025 | ¥2,000 | ¥9,500 | |
初年度無料 | ○ | × | ||
10マイルコース移行手数料(税抜) | ¥6,000 | ¥5,000 | ¥0 | |
年会費+手数料 | ¥7,025 | ¥7,000 | ¥9,500 | |
入会・継続ボーナスマイル | 1000マイル | 2000マイル | ||
搭乗ボーナスマイル | 10% | 25% | ||
マイル→SKYコイン交換レート | 1~1.5倍 | 1~1.6倍 | ||
国内空港ラウンジ | × | ○ | ||
提携ホテル朝食・ドリンク | × | ○ | ||
ANA国際線優先チェックイン | × | ○ | ||
旅行傷害保険
|
海外旅行 | 1,000万円 | 5,000万円 | |
国内航空 | 1,000万円 | 5,000万円 | ||
国内旅行 | なし | 5,000万円 | ||
ショッピング保険 | 100万円(条件付き) | 300万円 | ||
国内航空便遅延 | × | ○ |
額面だけを見ると高くなる(1)年会費の変化
一般カードの年会費=税抜2,000円
ワイドゴールドカードの年会費=税抜14,000円
となっているので、額面だけを見ると12,000円もの値上がりです。さすがゴールドカード、年会費は高いです。
この年会費だけを見てゴールドカードへの切替を断念する人も多いと思いますが、大切なのは実質的な年会費を考えることです。
一般カードの実質的な年会費
本当に2,000円なのか?
クレジットカードでの支払いでANAのマイルを貯める場合、
【クレジットカード会社のポイント(ワールドプレゼント・Okidoki)】
⇒【ANAのマイル】
のように、クレジットカードの支払いで得たポイントをマイルに交換することで、マイルが貯まっていきます。
一般カードを使用する場合、この「ポイント⇒マイル」の交換レートが2種類存在します。
クレジット会社 ポイント |
マイル | 手数料 | ||
5マイルコース | 1P | ⇒ | 5マイル | 無料 |
10マイルコース | 1P | ⇒ | 10マイル | 有料 |
・1ポイントを5マイルに交換する5マイルコース
・1ポイントを10マイルに交換する10マイルコース
の2つがあり、マイルを積極的に貯める人の場合、普通は10マイルコースを選択します。
ところが10マイルコースを選択した場合、1年に1回でもポイントをマイルに交換すると、1年分の手数料(VISAは6,000円、JCBは5,000円)が発生するのです。
毎年ポイントをマイルに交換することを前提に考えて実質的な年会費を計算すると、次の表のようになります。
ANA一般カード | |||
VISA | JCB | ||
年会費(税抜) | ¥2,000 | ¥2,000 | |
10マイルコース移行手数料(税抜) | ¥6,000 | ¥5,000 | |
年会費+手数料 | ¥8,000 | ¥7,000 |
意外にも7,000円~8,000円払っていることになるのです。
VISAはマイペイすリボ・WEB明細書サービスによる年会費割引特典が使える
上の表ではVISAの方が1,000円高くなっていますが、VISAには
・マイペイすリボというサービス(登録のみ。実際にリボ払いをしなくても可)
・WEBで明細書を確認するサービス(WEB明細書サービス)
を利用することで年会費が割引になる特典があるので、それを利用する前提で再度実質的な年会費を計算すると次のようになり、VISA・JCB間の年会費差は無視できるレベルになります。
ANA一般カード | |||
VISA | JCB | ||
割引後年会費(税抜) | ¥1,025 | ¥2,000 | |
10マイルコース移行手数料(税抜) | ¥6,000 | ¥5,000 | |
年会費+手数料 | ¥7,025 | ¥7,000 |
それでも実質的な年会費は7,000円ほどかかることになります。
ANA VISAワイドゴールドカードの実質的な年会費
ここでもキーワードはマイペイすリボ、WEB明細書サービス
先ほどのVISAの
・マイペイすリボ
・WEB明細書サービス
による年会費割引特典は、ANA VISAワイドゴールドカードでも適用されます。
さらに、ワイドゴールドカードの場合は、割引率が一般カードよりも高く、割引を適用すると
【年会費が9,500円(税抜)】
になります。
ANA VISAワイドゴールドカードは、10マイルコース移行手数料が無料!
一般カードを使用する場合、クレジット会社の1ポイントを10マイルに交換する場合(10マイルコース)、移行手数料として毎年5,000円~6,000円の手数料がかかっていました。
これに対して、ワイドゴールドカードは10マイルコースによる移行手数料が無料です。年会費の中に既に手数料が入っていると解釈することもできます。
これらを踏まえて、ANA一般カードとANA VISAワイドゴールドカードの実質的な年会費を比較すると、次の表のようになります。
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
年会費
(税抜) |
通常 | ¥2,000 | ¥2,000 | ¥14,000 |
最大割引後 | ¥1,025 | ¥2,000 | ¥9,500 | |
10マイルコース移行手数料(税抜) | ¥6,000 | ¥5,000 | ¥0 | |
年会費+手数料 | ¥7,025 | ¥7,000 | ¥9,500 |
いかがでしょうか。実質的な年会費の差は2,500円程度になるのです。
切替によって結局年会費は高くなっていますが…
一般カードからゴールドカードへの切り替えにより、年会費は2500円ほど高くなっています。しかし、2,500円の値上がりに十分値するだけの特典があります。
ということで、次に特典がどのように変わるのかを見て行きたいと思います。
(2)特典の変化
ボーナスマイルが最大の目玉
一般カードとワイドゴールドカードで大きく変わる特典と言えば、ボーナスマイルです。当然、一般カード保有者よりもゴールドカード保有者の方がボーナスマイル付与数が多くなります。簡単にまとめると下の表のようになります。
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
入会・継続ボーナス | 1000マイル | 2000マイル | ||
搭乗ボーナス | 10% | 25% |
入会ボーナスマイル
ANAカードに入会すると、入会ボーナスマイルをもらうことができます。
入会ボーナスマイルは、
・一般カード⇒1,000マイル
・ワイドゴールドカード⇒2,000マイル
と倍の差がついています。
ただし、一般カード保有者がワイドゴールドカードに切り替えた場合は、入会ボーナスマイルは付与対象外となります。
しかしながら、一般カードからゴールドカードへの切り替えについてはANAで頻繁にキャンペーンが実施されており、切り替えた利用者にキャンペーン特典としてボーナスマイルが付与されるケースが多くあります。
従って、切り替えによるボーナスマイルを狙うのであれば、ANAが実施するキャンペーンを入念にチェックし、タイミングを見計らってください。
継続ボーナスマイル
ANAカード保有者には、継続ボーナスマイルが1年に1回付与されます。付与されるマイル数は、
・一般カード⇒1,000マイル
・ワイドゴールドカード⇒2,000マイル
で、1,000マイルの差がついています。
年会費2,500円差で、ボーナスマイル1,000マイル差。これは果たしてお得なのでしょうか?計算してみましょう。
【クレジットでいくら支払えば1,000マイルもらえるか?】
クレジット会社のポイントからマイルへの交換にあたって10マイルコースを選択していると、
「100円決済⇒1マイル獲得」⇒「10万円決済=1,000マイル獲得」
つまり、1,000マイル獲得するには、10万円のクレジット決済が必要になります。
本来10万円を使わなければ手に入らない1,000マイルが、2,500円の年会費増で毎年手に入るのです。
この継続ボーナスマイルを考えただけで、2,500円の年会費増分の元は取れたと言っても過言ではありません。
搭乗ボーナスマイル
ANAカード保有者は、ANAグループ運航便に搭乗する度に「搭乗ボーナスマイル」がもらえます。この搭乗ボーナスマイルの付与率も、一般・ゴールドの間で差が設けられています。
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
搭乗ボーナス | 10% | 25% |
少し例を用いて説明しましょう。
【東京⇒那覇までANAの旅割を利用した場合にもらえるマイル】
ANA一般カード | ANA VISA ワイドゴールド |
|
旅割での獲得マイル | 738マイル | 738マイル |
カード別積算率 | 10% | 25% |
搭乗ボーナス | 738×10%=73マイル | 738×25%=184マイル |
獲得マイル合計 | 811マイル | 922マイル |
東京から那覇まで移動する場合、獲得できる搭乗ボーナスマイルに2.5倍の差がつきます。実際に計算すると、1搭乗での獲得マイル差は小さなものに見えますが、国際線の長距離路線を利用した場合や、何度も飛行機を利用した場合にもらえるマイル数には大きな差がつきます。
だからこそ、SFC修行僧は効率よくマイルを獲得するためにもワイドゴールドカードが必須になってくるのです。
ANAマイル→SKYコインの交換レートが上がる
ANAワイドゴールドカードを保有すると、マイルからSKYコインの交換レートが上がります。(SKYコインとは、ANAの航空券・旅行商品の支払いにだけ利用できるポイントで、1コイン=1円です。)
例えば、100,000マイルをSKYコインに交換する場合、
・一般カード=150,000コイン
・ワイドゴールド=160,000コイン
となり、10,000円分の差が発生します。0.1の交換レートの差が大きな違いを生むのです。
ゴールドカードの優待サービス
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
国内空港ラウンジ | × | ○ | ||
提携ホテル朝食・ドリンク | × | ○ | ||
ANA国際線優先チェックイン | × | ○ | ||
空港免税店割引 | 5%OFF | 10%OFF |
国内空港ラウンジの利用(いわゆる「カードラウンジ」)
国内の空港には、各空港がカード会社と提携して運営しているラウンジがあります。
通常、ラウンジの入室には大人で1,000円程度の利用料金が必要ですが、対象となるゴールドカード保有者は、カードと搭乗券の提示によって無料で利用できます。
(厳密には、アメックスはグリーンカードでもOKなど、細かい規定がありますが、今回はゴールドカード特典の説明なので詳細は割愛します。)
ANAのワイドゴールドカードも対象のカードなので、このカードラウンジを利用することができます。
ラウンジ内には座り心地のよい椅子やソファーがあるほか、ソフトドリンクバーや雑誌・新聞の閲覧サービスがあるので、空港で時間を持て余したときなどにゆったりと過ごすことができます。これはありがたいサービスです。
ちなみにこのカードラウンジと、ANAラウンジなどの航空会社ラウンジは全く別物です。次項で詳しく説明します。
カードラウンジと航空会社ラウンジは全く別物
よく誤解される点です。これを理解するには、
【ゴールドカード保有者】≠【航空会社のゴールドメンバー】
である点をおさえる必要があります。
ゴールドカードは、クレジットカード会社の所定の審査に通過することで保有できます。
一方、航空会社のゴールドメンバーは、その航空会社の飛行機に何度も搭乗し、上級会員としてのステイタス獲得した人のことを言います。
つまり、ゴールドカードを保有していても、その航空会社をあまり利用していない人は航空会社のゴールドメンバーではありません。
逆に、ゴールドカードを保有していなくても、その航空会社を頻繁に利用していれば、航空会社のゴールドメンバーになることができます。
そもそも、カードラウンジと航空会社ラウンジは
【カードラウンジ】=ゴールドカード以上のカード保有者が無料で使えるもの
【航空会社ラウンジ】=航空会社ゴールドメンバーが使えるもの
です。
従って、ANA VISAワイドゴールドカードを持っていても、ANAのゴールドメンバー(ANAではプレミアムメンバーと呼びます)になっていない限りは、ANAラウンジを利用することはできません。しかしゴールドカードを保有しているため、空港のカードラウンジは利用できるのです。
提携ホテル朝食・ウェルカムドリンクサービス
ANAカードを保有していると、提携ホテルの宿泊割引特典が利用できます。ANAカードの中でもワイドゴールドカードを保有していると、これに加えて提携ホテルの朝食が無料になり、ウェルカムドリンクサービスを受けることもできるようになります。
提携ホテルとは、具体的にはIHG・ANAホテルグループジャパンのホテルです(ANA●●ホテルとか、インターコンチネンタルホテル●●といったホテルです)。朝食無料・ウェルカムドリンクサービスを受けられるのは、会員本人がホテルに直接予約した場合に限られますが、ANA一般カードにはない嬉しいサービスです。
ANA国際線優先チェックイン
これは意外に知られていないようですが、ANAワイドゴールドカード保有者がANA便の国際線を使う場合、エコノミークラスを利用する場合であっても、ビジネスクラス専用チェックインで優先的にチェックインを受けることができます。
国際線のチェックインカウンターでは、エコノミークラスのカウンターに長蛇の列ができることがしばしばあるので、このビジネスクラス専用チェックインが使えるという特典はかなりありがたいサービスです。
空港免税店ANA DUTY FREE SHOP割引率
ANAカード保有者が国際空港内にあるANA DUTY FREE SHOPで免税品を購入すると、割引を受けることができますが、一般カード保有者とワイドゴールドカード保有者に割引率の差が設けられています。
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
空港免税店割引 | 5%OFF | 10%OFF |
割引額が単純に2倍になります。これもありがたいサービスですね。
(3)保険の補償内容の変化
ANA一般カード |
ANA VISA
ワイドゴールド |
|||
VISA | JCB | |||
旅行傷害保険
|
海外旅行 | 1,000万円 | 5,000万円 | |
国内航空 | 1,000万円 | 5,000万円 | ||
国内旅行 | なし | 5,000万円 | ||
ショッピング保険 | 100万円(条件付き) | 300万円 | ||
国内航空便遅延 | × | ○ |
旅行傷害保険の充実
ANA VISAワイドゴールドカードを保有していると、一般カードに比べて旅行保険が格段に手厚くなり、最高補償額が1,000万円から5,000万円に上がります。
特に国内旅行傷害保険は、一般カードにはついていませんが、ANA VISAワイドゴールドカードは上限5,000万円でつけられているので、旅行の際に別途保険に入る必要がなくなるケースも出てきます。
ショッピング保険
ショッピング保険とは、カードを利用して購入した商品の破損や盗難を補償してくれる保険サービスです。
一般カードでは、対象が海外での利用時に限られたり、国内でもリボ・分割払いによる商品購入時に限られたりと制限がつきまとううえ、上限は100万円です。
ANA VISAワイドゴールドカードでは、海外・国内のどちらで利用した場合でも、300万円まで補償されます。一般カードよりは格段に補償範囲が拡大されています。
(このほかにも対象期間など条件を満たす必要があるので、詳細はカード会社にご確認ください。)
国内航空便遅延保険
ANA VISAワイドゴールドカードで航空券を購入した場合、国内航空便遅延保険という保険が付帯します。
国内線の飛行機が遅延・欠航したせいで具体的な損害費用が発生した場合、最大2万円の補償が行われます。
年会費差以上の特典がついてくる
ここまで、ANA一般カードからANA VISAワイドゴールドカードに切り替えたときに何が変わるのかについて具体的に見てきました。
私はANA VISAワイドゴールドカード保有者ですが、実質的な年会費が2,500円差でありながら、それ以上の特典がついてくるというのが、実際に使ってみての印象です。
特にSFC修行僧にとっては、
・修行しながらマイルを効率よく貯めることができる
・空港ラウンジ、国際線優先チェックインなど、修行が快適になる特典がある
・SFCゴールド発行のためには、まずワイドゴールドを保有するのが基本である
点などを踏まえると、もはや必携と言っても過言ではないカードだと思います。
特典がたくさんついてくるANA VISAワイドゴールドカード、ぜひ有効に活用してください。
関連記事
ANA VISAワイドゴールドカードを最大限に生かし、還元率1.72%を達成する方法については、こちらの記事をご覧ください。
私はANA VISAワイドゴールドカードとソラチカカードの2枚持ちです。その考え方についてはこちらの記事をご覧ください。
また、私はワイドゴールドカードによる決済よりも、ポイントサイトを利用してマイルを多く貯めて飛行機旅を楽しんでいます(ポイントサイトの有効利用で、18,000マイルを毎月獲得できるようになります)。ポイントサイトでマイルを獲得する考え方については、こちらの記事をご覧ください。
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